カンボジアのトンレサップ湖に面するシエムリアップ県で、小規模漁民が抱える問題を分析し、漁民自身による政策提言に結びつけることを目的とした事業である。2003年度は、現地NGO(FACT)と協力し、環境政策の変化が与えた影響に着目し、小規模漁民の生活実態や直面する問題を調査し、漁民や行政機関との定期的な会合の場を設ける活動を行った。調査により、住民は主にアジア開発銀行(ADB)出資による港建設計画による住民移転、自然資源や生計手段への影響を懸念していることが明らかになった。また、県知事・県の環境局・集合村議会・NGOからの参加者(約35名)との会合や、ADBの事業予定地の住民を対象としたスタディーツアーを行うなど、情報提供や議論の場を設定する活動は、住民のエンパワーメントにつながっている。対象村の一つでは、港建設事業に関する住民の懸念や苦情に関してADBや行政機関との対話を行う「交渉委員会」が設立されたほか、同湖の開発計画をモニタリングするグループを発足させた。
特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ
母体の応用地質研究会は、国内の地質関係の専門家・技術者・大学の教員等が情報交換を行う団体である。助成団体は96年に設立されて以来、インド、バングラデシュ、内蒙古、ネパールにおける地下水ヒ素汚染の調査及び技術講習会を実施するほか、適正な地下水管理についての提言を行っている。
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