石油・天然ガス開発事業による深刻な自然生態系への影響が懸念されるサハリンにおいて、各事業および野生生物保護対策に関する調査を行い、同開発に求められる自然生態系保護のための提言をまとめた。具体的には、日本内外の関係者（現地ＮＧＯや日本の野生生物専門家）との情報交換・情報提供のほか、現地調査を実施。主に陸上パイプラインの敷設予定地を調査し、環境影響評価書概要版と石油流出対応計画の複写を入手し、その問題点について、事業者及び融資を検討している欧州復興開発銀行（ＥＢＲＤ）、国際協力銀行（ＪＢＩＣ）、日本政府関係省庁への情報提供を行った。１０月と１月には専門家会合を開催（東京・札幌）し、後に提言をまとめ、ＥＢＲＤ、ＪＢＩＣ、事業者、日本政府関係省庁に報告書を提出した。その結果、開発企業や融資機関が注視し始め、サハリン・への融資を検討中の４機関が、事業者に対し、環境社会健康影響評価情報や調査が不十分な点について詳細な情報を求めることになった。