サハリン北部には世界的に稀少なカラフトアオアシシギ、ハマシギといった稀少種が繁殖しており、その渡りの状況把握は保護対策上、重要である。助成事業は、ロシアの研究者の協力を得て、カスミ網による捕獲・標識とカウント調査を行い、秋のサハリン南部地域における鳥類の渡りの状況を把握し、北海道における知見との比較、希少種の保護上の問題点を明らかにすることを目的に実施された。調査は2003年8〜9月、サハリン州南部にて鳥類調査を行い、ポロナイスクとユジノサハリンスク郊外において、小鳥類の標識調査と中〜大型水鳥類の生息状況調査を行った。ユジノサハリンスク郊外での標識調査では、3日間に14種86羽を捕獲・放鳥し、ポロナイスクでの標識調査は、13日間で21種508羽を捕獲放鳥した。活動の結果、種類による渡りルートの特徴の一部が明らかになったが、さらに現地での標識調査を活発に行うことによって、日本との渡り鳥のルートに関する直接的な情報が期待できる。
日本鳥類標識協会
日本の鳥類標識調査の発展を図り、鳥類の保護・管理に寄与する目的で設立された団体。バンダー(鳥類標識調査従事者)および標識調査を理解する人々で構成。会誌およびニュースレターの発行、研究会等の開催、マニュアル・技術書の発行、国内外における協同調査を行う。
Copyright 2007-2021 The Japan Trust for Global Environment. All rights reserved.