ホーチミン市の川沿いに密集して住む低所得者の環境に対する意識は低く、住民によるゴミの投棄が環境を更に悪化させている。助成事業は、特に貧困層が居住する第2区アンカイン地区で、同地区の女性同盟の協力を得ながら、環境意識の向上と生活環境改善に役立つプロジェクトを実施した。具体的には、子どものための環境教育(絵やクイズによる啓発、定期的なごみ拾い)や、リサイクル活動の推進(220世帯規模・週2回の回収を実施)、及び、地域の基礎インフラの整備(20本の街灯設置、トイレの整備)を行った。リサイクル活動で得られた資金をコミュニティ基金として積み立て、特に子どものために役立てたため、住民達がゴミの分別が地域の利益につながることを実感でき、協力世帯は急増した。街灯の設置に関しても、政府による設置を待つだけであった住民たちが、話し合いを持ち、電気代の政府負担を政府に対して働きかけるようにもなり、住民達が徐々にエンパワーメントされつつある。
特定非営利活動法人 ブリッジ エーシア ジャパン
開発途上国の都市環境改善を目的に発足した市民グループ。当初、ベトナムにて、日本で不要となったゴミ収集車を贈る運動を展開するなどの都市環境・廃棄物問題に関する知識の普及事業や調査活動を展開。その後、ベトナム山岳地、ミャンマー、スリランカへと活動を拡大している。
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