バングラデシュのほぼ全域で発生している地下水ヒ素汚染に関して、無秩序な地下水利用との関係を調査するため、モデル村(マルア村)において地下水環境調査を実施し、その解析を行った(2年度目事業)。
具体的には、地下水位観測(45地点で週1回)、ヒ素濃度簡易計測(47地点で月2回)、ヒ素濃度分析(月1回)、灌漑用地下水揚水期の井戸の深度等の確認・揚水量の測定・ヒ素濃度の調査、および技術指導(全2回:酸化還元電位測定の導入に伴う技術指導及び調査結果に基づく全般的な技術講習会)を実施した。本事業により、乾季の農業用地下水揚水のヒ素汚染への影響が、より明らかになり、また、住民の意識も高まった。このほか、研究結果について、2005年11月に新潟において「アジア地下水ヒ素汚染フォーラム」を共催するなどして日本国内向けの報告も行った。
応用地質研究会 ヒ素汚染研究グループ
母体の応用地質研究会は、国内の地質関係の専門家・技術者・大学の教員等が情報交換を行う団体である。助成団体は1996年に設立されて以来、インド、バングラデシュ、中国、内蒙古、ネパールにおける地下水ヒ素汚染の調査及び技術講習会を実施するほか、適正な地下水管理についての提言を行っている。
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