サハリン北東沿岸の湿地・沿岸海域は、オオワシ、アザラシ、コククジラをはじめとする野生生物にとって貴重な地域であるが、一方で、大規模石油ガス開発が進行中であるため、同地における環境保全(開発の影響回避)にむけての提言を行うことを目的として実施した。
具体的には、現地調査によって、ノグリキ以北の潟湖・河川・湿地における野生生物の実態とサハリン・・・開発の進行状況を確認した後、調査結果(オオワシ:現地には繁殖地や若齢個体の数が多い、シギ・チドリ類:繁殖地、渡りの中継地として利用している、サケ等の魚類:豊富であり野生生物の重要な餌資源になっている等)をとりまとめ、開発の及ぼしうる影響を検討した。そのうえで、開発主体者発表の環境影響評価書を検証し、関連会合への出席等を通じ、現地調査報告や環境影響評価書検証結果について意見を述べ、同プロジェクトに関する「包括的な生態系保護」の概念の必要性とデータ面での不備等を指摘した。
北海道ラプターリサーチ
北海道の希少猛禽類に関する生態学的な研究と保護活動、主に、大型猛禽類の鉛中毒根絶のための活動を行う。治療後に野生復帰させたオオワシやオジロワシの追跡調査や、クマタカの鉛中毒実態を明らかにするための捕獲調査等を実施しているほか、サハリンにおけるオオワシ調査等を行っている。
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