中米ハイチは伐採による熱帯雨林消失の問題を抱えており、熱帯にも関わらず森林の国土に占める割合は１．４％と深刻な状況にある。そこで本事業は、同国山間部にあるチビー村にて住民の収入向上および森林再生を目的として実施した。

具体的には、現地環境保護団体と協力し、育苗所の設置、苗の植え付け・育成・配布等を行ったもので、木材用苗木（カシア２，０００本、シマルバ３，０００本）、商品価値作物の苗（アボガド約２，０００本、コーヒー苗約３，０００本）の育苗を行い、各家庭に配布した。この結果、少なくとも事業を行った地域における森林減少に歯止めをかけることができると期待され、また、商品価値作物については、今後、木炭生産に替わる生計手段となることが期待できる。事業は、現地協力団体のコンピュータの問題・窓口の人間の病気、大統領選に絡む現地の政情悪化により、一時中断を余儀なくされるなど困難に直面したが、住民の間に植林へのモチベーションが高まったことは今後にむけての成果であった。