バングラデシュ全域で発生している地下水ヒ素汚染と無秩序な地下水利用との関係を調査すべく、モデル村(マルア村)にて事業を実施した(3年度目事業)。
具体的には、地下水調査:地下水位観測(45地点で週1回)、ヒ素濃度簡易計測(47地点で3カ月毎、25地点で月1回)、ヒ素濃度分析(月1回)、農業用地下水調査:灌漑用地下水の揚水時期に井戸緒元(所有者/位置/深度)、揚水量、ヒ素濃度を調査し地下水循環系への影響を調査したほか、調査技術指導(12月、3日間、汚染村住民・現地NGOの計30名参加)を実施した。さらに、11月に宮崎にて「アジア地下水ヒ素汚染フォーラム」を実施した。本事業により乾季の農業用地下水揚水のヒ素汚染への影響がより明らかになり、また、講習会を通じ、現地NGOが今後、村人に対して独自に技術移転を行なっていくためのきっかけ作りができたことは大きな成果であった。
応用地質研究会 ヒ素汚染研究グループ
母体の応用地質研究会は、国内の地質関係の専門家・技術者・大学の教員等が情報交換を行う団体である。助成団体は1996年に設立されて以来、インド、バングラデシュ、中国、内蒙古、ネパールにおける地下水ヒ素汚染の調査及び技術講習会を実施するほか、適正な地下水管理についての提言を行っている。
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