インダス河最上流部の山岳地帯にあるテステ村(標高3000mの狭い傾斜地で40戸約450名が自給自足生活)で、燃料用に伐採され残りわずかとなった自然林の保全のため、荒地(山腹にひろがる扇状地)への植林を行うべく事業を実施した。
具体的には、まず、植林地の環境整備工事として、泉から約300mの灌漑用水路の造成、植林地周辺5ha(200m×250m)への鉄製の食害防止用フェンスの設置を行った。ここまでの作業を2006年11月までに完了し、2007年春の植林時期(4〜5月)の雪解け水を待つこととなった。2007年5月には同会メンバーが現地を訪れ、住民に挿し木苗作りの指導を行いつつ、雪解け水を待った。しかし、同地はこの時期、異常な低温に見舞われ、結局、灌漑用水が確保できず植林を実施することができなかった(植林用に購入したポプラの苗は標高2300mの別の村での栽培へと変更)。今回、非常に残念な結果とはなったが住民は植林事業に対して相変わらず前向きな姿勢を示している。
特定非営利活動法人 ヒマラヤン・グリーン・クラブ
1993年の設立以来、パキスタン北部の山岳地帯の村々で「ヒマラヤに緑を」を合言葉に住民と共に植林活動を行う。ポプラやアンズなどの植林のほか、自然林保護のために現地の樹木の育苗にも力をそそぐ。無医村、無学校の村々に、小学校の建設や巡回診療等を毎年実施している。
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