インドネシア、ジャワ島西部のパナルバン熱帯雨林地域において、東南アジアの熱帯雨林にしか生息しない森林性の大型猛禽類3種(ジャワクマタカ・カワリクマタカ・カンムリワシ)を対象に、猛禽類の生息を指標とした熱帯雨林の保護対策を科学的に検討するため、事業を実施した。
具体的には、1)生息場所利用調査(翼帯マーカー及び発信機を装着しての追跡調査):現地NGO、大学生、住民によるチームが、ひと月に10日以上、1回あたり10人以上で実施、かれらへの訓練を併せ行った、2)ワークショップの開催:調査結果検討会及び解析に必要なGIS解析に関する研修会を、バンドン及びパナルバンにて開催(9月、2日間)、3)教育啓発活動:小学生、市民対象に猛禽類保護の重要性を紹介した(バンドン市内)ほか、資料を作成、配布した。事業により、保護すべき自然林の範囲を特定する見込みが立ったほか、若い猛禽類研究者の育成、横断的な活動ネットワークの構築ができた。
アジア猛禽類ネットワーク
アジア各国(十数カ国)の猛禽類関係者によって構成される国際NGO。アジアの猛禽類の分布・生態を明らかにし、科学的データに基づく保護対策の推進を目指す。主な活動は、メーリングリストによる情報の交換、国際シンポジウムの開催、共同プロジェクトの実施(猛禽類の渡り調査、コウモリダカ、カザノワシの生態調査、森林性大型猛禽クマタカ属の分布マップ作成)、救護猛禽類を野外に放鳥する技術に関するワークショップの開催等。
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