インド北部ダシガン国立公園(ジャンムー・カシミール州)の高標草地域を放牧利用する遊牧民と、カシミールアカシカ(ハングル)などとの草地競合問題に関する解決案を提言することを目的として事業を実施した。
具体的には、1)遊牧民への聞き取り調査:冬季の住居地(スリナガル県他近郊2県及びジャンムー県)及び夏季の上ダシガン国立公園において、移動ルート・生活スタイル・ハングルの目撃に関する情報を収集、2)草地インパクト調査:宮崎大学との共同研究、を実施した。牛と羊の頭数がインパクトの強度に強い因果関係をもつことが解析され、また、上ダシガンの植生破壊はかなりの程度まで進んでいることが判明した。今後、公園管理組織が公園の理想的な将来像を明確に打ち出す必要性があるため、それに向けて提言を行っていく。
馬事文化研究所
2006年に設立された同会は、インド在来馬調査を行い、学術的調査のほか、先住民と野生生物の共生関係について調査することを目的としている。また、馬に係わる民族的、文化的研究として、テラコッタ型の馬像の奉納祭祀に関する実態調査などを行う。
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