サハリンにおける開発により、「イトウ」(世界最大サケ科魚類、極東北部地域にのみ生息)への影響が懸念されている。このため、イトウ保全のための調査研究及び対策の提言を行うことを目的に事業を実施した。
具体的には、1)現地調査:イトウ生息情報収集(21水系での生息確認)、繁殖状況の調査(イトウ当歳魚の採捕)と繁殖場所の特定、パイプライン縦断地点における河川環境調査、2)現地研究者・NGOとの協働研究体制の確立、3)航空写真と地理情報システムを用いたイトウ生息河川の環境評価(森林火災による河川への表土流入を確認)、4)ミトコンドリアDNA分析に基づく遺伝構造比較、を実施した。
オホーツク魚類研究会
『イトウ』をはじめサケ科魚類の生態研究や保全活動における実績を持つ会員で構成。2008年に発足したばかりであるが、それ以前の関連する活動内容も含め、1)イトウの調査研究と保護活動、2)イトウやサケ科魚類に関する関連論文や著書の執筆、3)ロシア人など海外研究者との共同研究において実績を有する。
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