2011年の洪水の影響で、乾季に予定していた調査が大幅に遅れ、また一部は実施不可能となった。
具体的な活動概要は、1)ムン川中流域の自然環境についての把握。ムン川が形成するパーブン・パータームと地元住民が呼ぶ湿地について、その中の地形の分類や生息する魚類について、既存文献やインタビューによって理解を深めることができた。 2)ムン川中流域において、一部のワンと呼ばれる淵や、クットと呼ばれる三日月湖で魚の産卵が住民によって確認されていることが分かり、産卵期に営巣行動をとる魚がいるというという情報を得た。 3)ムン川中流域ではダム開発の影響で、環境が劣化してはいるが、パーブン・パータームでの生業は今も行われており、特に漁業資源は村落生活で重要な地位を占めていると住民が認識している。そのため、住民の一部ではあるが河川内での保全区の設定などにニーズがあり、住民の間で、魚の生態や産卵地に関する自然科学的な調査の要望があることが分かった。
特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ
メコン川流域を対象に、開発が環境と人権を配慮し、貧困を是正し、持続可能なものとなるよう、情報収集・情報発信を行うとともに、関係機関(世界銀行、ADB、日本の財務省等)への働きかけを行っている市民ネットワーク。
Copyright 2007-2021 The Japan Trust for Global Environment. All rights reserved.