先住民の8割以上がトナカイなどの野生生物に生業を依存するシベリアにおいて、温暖化によるトナカイの数や分布の変動は経済社会問題となっており、早急な科学調査と管理支援体制が求められている。野生動物相の実態把握と利害関係者協議会の設立を元にした保護区のモニタリングと評価体制を実践的に提言し、先住民主体の野生生物相保護管理体制の確立を目指した。
具体的な事業内容は、1)現地協議会の立ち上げ。昨年度の合意と提言に基づき、さらに北東連邦大学の支援も得て、サハ共和国政府の関連委員会として、サハ共和国野生生物保全協議会を設立し、その第一回会合を記念シンポジウムとともに、2014年11月にヤクーツク市内で開催。なお、記念シンポジウムは、国際会議の1セッションとして開催。 2)協議会におけるモニタリング調査について、今後の具体的な体制が議論され、生物相情報の整理と公開、重要種の継続モニタリング、技術交換会の定期開催、環境教育活動の重視について合意。
東シベリア野生生物保全研究会
2003年から現地研究者・NGOと共同研究を実施。東シベリアにおける野生トナカイの生態調査を現地機関および先住民団体(サハ民族)と共に行っている。生物多様性保全という社会問題解決のために、野生トナカイの生態変動と北方先住民の生活への影響を調査研究している。
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