ラオス北部では近年、外国企業と契約した住民によるバナナなどの単一の換金作物栽培が急速に拡大、土壌・水質汚染、食料安全保障の低下が懸念されている。しかし、住民の換金作物の契約栽培は、企業による大規模な産業植林・換金作物栽培事業に比べ、調査研究の蓄積が少なく、地方行政も問題意識はあれど対策できていない。調査・土地利用の記録・映像制作を行い、政策決定者・援助関係者への情報と土地問題に関する議論の場の提供、住民によるリスクの認識とそれを踏まえた土地利用、政策決定者・援助関係者による取り組み強化を目的とした活動を実施した。
具体的な活動内容は、 1)バナナ栽培(北部)に加えコーヒー栽培(南部)の追加調査、英文の完成報告書と再編集した映像のラオス専門家との共有及び意見交換・提言(2015年6月)。 2)土地問題ワーキンググループ(LIWG)主催会合(2015年11月)等でのバナナ調査報告、映像上映、開発関係者・研究者との議論や問題提起。 3)報告書の現地研究機関との共有、提言への反映。4)コーヒー映像完成・公開。バナナ調査のラオス語仮報告書作成(2016年3月)、バナナの映像・報告書公開(2016年5月)。
特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ
メコン河流域の国々を対象に、開発が環境と人権を配慮し、貧困を是正し、持続可能なものとなるよう、情報収集(調査・モニタリング等)・情報発信を行うとともに、関係機関(世界銀行、アジア開発銀行(ADB)等の多国間金融機関・企業、日本の財務省等の政府機関等)への政策提言活動を行っている環境NGO。市民ネットワーク(8つのNGOのネットワーク)として設立(1993年)。2003年にNPO法人化。
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