事業概要：高い生物多様性と特有の動植物相を有するボルネオ島。ボルネオゾウの生息は良好な森林の証明となり、マレーシア・サバ州の野生動物局ではゾウを指標の1つと捉えている。ゾウをはじめとした野生生物エコツーリズムも盛んだが、アブラヤシのプランテーションや森林伐採により多くの原生林が消失、ゾウのプランテーション侵入や作物への被害、住居破壊や人身事故により、ゾウを有害動物と認識する地域もあり、毒殺事例も見られる。ゾウの生息のためには天然林回復が望ましいが、アブラヤシが大きな収入源であるため、産業構造や住民の意識変化なしでは現実的ではない。効果的な対策、エコツーリズムへの活用等のため、未整理のゾウの基礎生息状況を住民参加により調査により把握、地域に還元すると共に、地域住民の意識変化を図る。
3年事業の1年目。

活動内容：１）現地各地での趣旨説明とゾウによる被害や対応の情報収集によるデータベース原型と協力体制の構築。　２）データベース構築のために必要なアプリケーションや機材等の再検討と試行。　３）現地NGO等対象の調査方法レクチャー、野生生物局職員対象のワークショップを実施。　４）次年度の情報収集のための議論・準備。