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Fund Report No.20.12
 
バングラデシュ北東部におけるスナドリネコ地域個体群の保全
助成
鈴木 愛(個人)
助成分野
調査・研究事業、情報・知識の普及事業
助成金額
1,000,000円

事業概要:スナドリネコ(漁りねこ)は、名前が表わすように、魚を好み、湿地を好むとされる小型のネコ科動物で絶滅の危機にある。水の国とも称されるバングラデシュはスナドリネコにとって重要な生息地だが、人々による捕殺が後を絶たない。北東部の内陸湿地Hakaluki Haorでの2017年からの調査により、人々がスナドリネコを捕殺する理由は、社会的な規範にも関わっていることが明らかになったが、この対策には長期的な取り組みが必要である。しかし、生息地の減少とスナドリネコの捕殺数を考慮すると、時間的猶予はない。そこで、地域絶滅を回避するため、Hakaluki Haor周辺の重要な生息地を特定し、景観レベルでの個体群への脅威の削減を目的とした。

活動内容:Hakaluki Haorを囲む丘陵地に着目し、スナドリネコの生息状況調査を行った。しかし、他種の生息初確認には成功したものの、スナドリネコは撮影されず、改めて内陸湿地を中心とした保全策の重要性が強調された。また、予定していた森林局との共同ワークショップの開催、小学校での環境教育はコロナにより実施がかなわなかった。そこで、少人数の学生・森林局・地域住民と調査・活動を長く実施する形に変更したところ、学生は同様の調査を実施する野生生物保全の職に就き、森林局とは今後共同でさらに調査および保全活動を拡大することとなり、地域住民も自主的に野生動物の保全への働きかけをしてくれるようになるなど、本助成活動による変化が観察された。

Up Date:14/Feb/2023