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Fund Report No.21.08
 
インド・チリカ湖集水域におけるゾウとヒトの共生圏の創造に向けた生息地管理および環境教育
助成
ラムサールセンター
助成分野
調査・研究事業、情報・知識の普及事業、植林等の(直接)事業
助成金額
1,800,000円

事業概要:インドではアジアの他の多くの国々と同様に、ゾウとヒトとの軋轢が問題となっている。本事業対象地は、生物多様性豊かなチリカ湖の集水域であるが、人為による伐採が進み、森林生態系が悪化している。その結果、林内でゾウの食料や水が不足し、乾季には水や食料を求め頻繁に横断するため、恒常的な農作物被害とゾウ・ヒト双方の死傷事故が続いている。本事業は、チリカ湖集水域の集落を対象に、@住民の認識調査、A生息地管理、B被害対策、C関係者の体制構築を行うことによって、ゾウとヒトの共存を実現するための住民主体の現実的な活動モデルケースを提示する。

活動内容:ゾウ保全活動に関する意思決定の場を組織化するためにゾウ保全委員会を3つのエリアに設置した。また、39集落を対象に、住民調査を実施した。この調査結果は、普及啓発および生息地管理の活動に反映させて事業を実施した。具体的には、啓発物(ニュースレターやポスター、壁絵)の制作や、研修活動、路上劇等を行い、住民のゾウ保全に対する環境意識の向上を強化した。生息地管理では、森林再生を目的に竹4000本の植付けに加え、河川沿いに踏み付けにも耐性があるオセオバナ10万本、ゾウの忌避植物レモングラス30万4100本を農地周辺に植付けした。また、各集落の協力を得て「Help Line Network」を立ち上げ、ゾウの出没に関する情報を収集する体制を構築した。

WEBサイト:http://ramsar-cj.site/

ラムサールセンター

1990年設立。ラムサールセンター(湿地と人間研究会)は、水鳥と湿地の保護に関する国際条約「ラムサール条約」とその基本理念「保全」と「賢明な利用(Wise Use)」の実現を目標に、とくに湿地と人間とのかかわりについて、調査研究、普及啓発活動を行っているNGO。日本とアジアの自然・社会科学者、専門家、メディア関係者などで構成され、会員の意思と会費財政によって運営される自主的任意団体。独立した事務所や有給の専従職員をもたず、ボランティア活動で運営されている。
主な活動は以下のとおり。
「ラムサールシンポジウム新潟」「アジア湿地シンポジウム」、ワークショップ開催などの普及啓発、ミャンマーでのマングローブ保全、ベンガル湾沿岸国での湿地保全ネットワークの構築、日本とアジアの湿地、生物多様性保全に関する調査研究。

Up Date:14/Feb/2023