事業概要:人口増加による過度の伐採や開発で、住民の生活に不可欠な農村部の里山が疲弊している。その里山を再生するため、地域の先駆者である「地域苗畑主」を講師に技術を学んだ「実践者」たちを、自身の里山を再生させる実践を行う過程で育ててきた。本事業はさらに里山再生のすそ野を広げていくため、これまでに育った「実践者」が、興味を持つ住民(「新実践者」)のサポートしながら、技術や経験の共有を行い、里山再生の実践を行いながら、地域の人材・「新実践者」を育てていく。「地域苗畑主」「実践者」「新実践者」が相互に交流することで、技術や経験などの情報交換をして、互いに里山再生を目指す人的ネットワークを構築していく。
活動内容:今年度は、「新実践者」の候補者11名の中から、5ヵ村5名を「新実践者」として選抜し、次年度に向け苗畑を設置し苗木の育苗を始めた。既に育った「実践者」や「新実践者」の成功例を目の当たりにした、一部の住民が、「実践者」などが育てた苗木を購入して自身の里山に植える者も出始め、当初から意図していた住民への波及が少しずつ進んでいる。 また、交流では、経験の浅い「新実践者」にとって、先達の成果を目にすることで、自身の里山の将来像をイメージでき、そうした「先達とのつながりができたことが非常に有意義だった」との感想ほど、地域の人的ネットワークが着実に構築されていることを実感している。
WEBサイト:https://www.jca.apc.org/sahel-no-mori/
特定非営利活動法人 サヘルの森
サヘル地域の砂漠化防止により安定した生活のための地域住民との協力を目的として1987年にNGO「サヘルの会」として設立。マリ共和国北部(1988〜1992、1998〜2001)での植林活動、中部(1993〜2000)での植林、農業や男女グループ活動、識字教育等の支援を通じ、成果を得て1999年に「サヘルの森」として特定非営利活動法人に。2002年以降は、南部から北部にかけた地域で、住民が自由に利用できる林づくりに向けた活動を展開中。
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